とりあえず誰でも使える便利機能。ヒトは皆それを持って生まれてくる。
しかし、一般人の魔術とはいうなればフィーチャーフォン、魔術師のそれはスマートフォン。設計思想から違う。それに気づき、己の手でスマートフォンを生み出した者のみが魔術師になれる。
主人公がどれくらい魔術苦手なのかというと、「君のガラケーは写真も撮れるはずなので頑張れ!! なんかわからんがカメラが立ち上がる前に落ちるけど!」レベルのアレ。電池も三十分で切れる上に充電が遅い。
ガラパゴス機能として、ボタン一つで使える分析系の機能が内蔵されている。
こいつが割と高度な機能で、彼女の魔術的スペックはすべてこの機能につぎ込まれている。燃費も悪い。
……ことに本人は気づいてない。ズィルバー師とアリゼ師はわかっているが、わかったからといってどうしてやることもできず、ズィルバー師はちょっと役に立つ魔術的豆知識を、アリゼ師はもっと役に立つ物理パンチを教え始めた。
ちなみに髪の毛の魔力とは例えるならモバイルバッテリーである。
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