「とある魔術師の男」の舞台はNostalgia世界、ラグラス大陸である。
オーウェン・クリストフ・リィ・ニール・カーサスという魔術師はあらゆる世界のあらゆる時代に現れ、どのリィ・ニール・カーサスもウィルフレッドという少年と必ず出会う。
もう一人不確定に存在するのがカミラという女だが、この女がいない世界ではリィ・ニール・カーサスとウィルフレッドは破滅し、存在する世界ではそこまで酷いことにならない。
単純に、カミラがいるとリィ・ニール・カーサスは闇から一歩抜けだし、人間の感覚を取り戻すことができる、ということである。
白花の廻りの「哀れな旅人」のリィ・ニール・カーサスにはカミラがいて、掌編コーナーの「とある魔術師の男」にカミラはいない。後者の二人は、全体的に見てさほど酷くないレベルのバッドエンドを迎えるパターンである。
白花の廻りと空中庭園の夢に出てくるリィ・ニール・カーサスは同一人物であり、大衆娯楽作家を装った魔術師であり、カミラが存在するので適当にのんきに生きている。
だからこそ大衆娯楽作品を執筆できるともいえる。
ウィルフレッドはサインを貰って大喜びして帰った程度の知り合いとはいえない程度のかかわり。
ちなみに、あらゆる世界というのはあくまでもnostalgia世界の平行世界という意味合いで、snowgardenやgw/fesには出てこない。メタ的な意味で世界を超えることはない。
なお、ラグラス大陸の魔法領域にいるのは魔術師ではなく魔法使いである。
彼らは魔術師のように闇に魅入られ闇に生き、生と死の領域を侵犯しているわけではないので、同列に並べると失礼になる。
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